カブで静岡。
正月、静岡に帰省してきたという学生との会話で、思い出した。
高校3年生の出来事。50ccのカブで静岡に行ったんだ。
遠距離恋愛中の彼女に会いに。
自分の中でのオタク全盛期。某掲示板で知り合った、静岡在住の彼女。
お金がないから原付で会いにいった。
もちろん、高速など使えるはずもなく、すべて下道。
その子は、清水市の草薙というとこに住んでた。
東京から4〜5時間はかかったと思う。つらくはなかった。
真冬の走行だけど、期待感の方が上回り、身体はアツイ。
めでたく会えた後、エスパルスドリームプラザで映画を見た。
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク、内容はいまいちだったと思う。
ケンタッキーでテイクアウトして、近くの公園で食べた。
食いかけのチキンを落っことして、笑いあった。
帰り際、今度はいつ会えるかな、なんてことを考えていたら、
「あ〜彼氏ほしいな〜」
という声が。よく見ると、となりの彼女から。
(えっえっ、あれ? オレたち、つき合ってるんじゃないの?? おりょりょ〜?????)
声にもならない、とまどい。
「んん、そだよねぇぇ」
わけのわからない相槌してバイバイ。すぐに地元の男友達に電話をする。
「オレたち、つき合ってなかったみたいなんだ……」
「……あぁ…………」
そりゃあ困った返ししかできんだろ。すまなかった。
行きとうってかわり、帰り道はかなりキツい。
大学卒業したら、静岡で仕事就こう! なんて、本気で考えてたんだよ。
でもね、カブは燃費がいいんだ。走るのはおそいが、まだまだ走れる。
ゆっくりだけど、確実にとおくまで行ってみせる。根拠もない想い。
これ以上あがらないスピードのまま、ずぅっとアクセルを手前に回し続けた。
2015年1月11日 05:03 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, 更新企画
- 「ロゴマークを軸とした展開。」が特長のグラフィックデザイナー永井弘人による、「日常とデザインを拡げる雑文集。」日本タイポグラフィ協会正会員。年鑑ベストワーク賞受賞。著書「デザイナーになる。」(MdN)執筆・出版。
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