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IN THE 美容院。

先日、美容院に行ってきた。
地元にある美容院。だいたい月に1回は行っている。

みなさんは美容院で髪を切ってもらっている時、会話はどのようにしているだろうか。
当たり障りのない会話で時間をやり過ごしていますでしょうか。

私はいつも同じ女性に切ってもらっているのだけれど、会話は全くしない。
椅子に座った途端、たいして眠くもないのに目を閉じる。
私、あなたと話す気は全くないですよアピール。
別にその担当の方が嫌いなわけではない。

ではなぜか。
答えは、女性の指先が触れる頭皮に全神経を集中させるためだ。

会話をしていると、話をうまく回すことに集中しようとするため、触感がなんだか鈍くなる。
肌と肌の触れあい。そこにフォーカス。

美容院とは言語を交わさなくても、十分にコミュニケーションが取れる場なのだ。
ここに書いてあることを担当の方が見て、縁まで切られないことを切に願う。

 

その名は。

大好物を食べても、おいしいたい。
口内炎。

ガリッと自ら噛んで発生した口内炎だから、
きっと生活習慣や栄養不足が原因ではない炎症。

なかなか治らないので薬局に相談したら、
ある軟膏を紹介され、
患部に塗りたくってみたところ、
だいぶ楽になって、
今すぐ誰かに伝えたかったから、
ここでその名を叫ぶよ!

ケナログ !!

パッケージがとてもストイックで、効きそう!という期待感からして半端ない。

口内炎を患った大観客からのスタンディングオベーション。
そんな光景が目の前に浮かんでくる。

 

居合い挨拶。

となりに誰が住んでいるのか、よくわからないこのご時世。

マンションの住人とすれ違う時。
挨拶をするかしないか。
常識的に考えるとした方がもちろん良いだろう。
しかし、最近は挨拶を返さない人も結構いる。

こちらが挨拶をして、相手が挨拶を返さなかった場合、
正直なところ、ちょっとムカつく。(ちょっとね。)
だから、数秒後にすれ違う人を見据えて、
「あの人は挨拶を返してくれるか、くれないか」
などと考えてしまう。

そのわずか数秒の考察中に、相手が先に挨拶をしてきたりするもんだから、その時は、
「疑ったりしてすいませんでした〜!」
という気持ちになる。

人を見る洞察力・素早い判断力が試されるのだ。

特にエレベーターなんかヤバい。

自分が帰宅してきて、1階でのエレベーター待ち、
誰もいないのに既に降り始めているエレベーター。
誰かが降りてくることは確実だ。

挨拶するタイミング時は、扉が開かれた一瞬しかない。
緊張が走る。

「あ、挨拶した方がいいな」という直感。
扉が開く。

「こんばんは!」

「あっ どもっ」

ヤマト運輸の人でした。(結構ある。)

 

並走マラソン。

並走する。

自分の周りの誰かが、一つの成功を収める。
不思議なことにそんな時、自分が少しスタミナ切れを感じているタイミングだったりして。
人の成功を見て、またしっかり、走り続けようと。

プレイヤーだから応援するのではない。
並走するのだ。

ゆるんだ気持ちの靴紐をキュッとしめ、リズム良く走り出す。

スッ、スッ、ハー、スッ、スッ、ハー
スッ、スッ、ハー、スッ、スッ、ハー

長距離走行中、僕の呼吸リズムです。

 

くいしんぼ

くいしんぼ に久しぶりにいった。

リーズナブルに量を求めて肉を食べたい時はここに限る。
本日食したのは高円寺店。
学生の頃は神保町店。
サークルテニスプレイの後、6〜8名ぐらい束になってよく行っていた。

もうメニューからはなくってしまっていたが、
必ずといっていいほど頼んでいたのが、「3/4ポンドステーキ」。
その名の通り、3/4(ヨンブンノサン)ポンド、約340グラムというサイズの肉が出てくる。
これで約1,000円。

味や肉の固さなんか全く気にせず、とにかく肉にくらいついた。

毎週、いや、多い時には週2回、
くいしんぼに行っては「3/4ポンドステーキ」を頼むもんだから、
「ヨンブンノサン」という言葉が自分たちの中で日常化し、
「ヨンブンノサン」という言葉を聞く度、脳内に肉が浮かび上がり、ニヤニヤしていた。

そういった極度の内輪感を持ちながらも、
意味が通じ、意味不明な盛り上がりを持たせる言葉。

そういった魔法の言葉にこそ、純粋な力強さを感じるのだ。

 

スッパイ好き。

ひっさびさにミカン食べた。
この時期のはまだスッパイ。
スッパイもの全般が好きだ。
だから、緑色ミカンは僕の期待をふくらます。

どんだけスッパイのかな〜
わくわく………スッパ!!ここまで求めてねーよ!

その後の水が最高ですね。

【 スッパイ好きの方へメッセージ 】

ちなみに干し梅も好きです。
はちみつ入りのは、ちと勘弁。
エナジードリンクでロックスターってのがあって、
先に干し梅を口の中に入れ、ロックスターを後入れする。

すると。
口の中で革命が起こります。

スッペー!!という両目をつぶりながらも、口元笑う、
そんな領域に僕を連れて行ってくれるのだからたまらない。

ウメ法師、元気かな。

 

そんなこと言わないでよ。

パンの自販機。

お金入れて、
番号押して、
こうグルグルっと丸まった銀の棒が回転して、
パンが落っこちて、
プラスチック板が助けてあげた、

かと思いきや、
一番下で突き落とす、

あの流れ…なんだかマジマジと見ちゃうよね。
そもそも自販機でパンなんか買うなよ、とか言わないでよ。

本質は、パンを食べる行為の前、
「自販機でパンを買う」という部分にあると思うんだ。

通常の生活の中、飲み物を自販機で買うことは多くあっても、
「自販機でパンを買う」ことはあまりないのではなかろうか。

じゃあなぜ。

それは、
「自販機でパンを買う」=「機械がパンを突き落とす」を見たいがために対価を払う、
人間のブラックな感情。

というか、コンビニでパン1個買うのが気まずいからです。

 

パワースポット。

神保町駅から地上に上がり、
何をそんなに浮かれているのかよくわからない学生の群れを越え、
リバティタワーに着く。

本日は、大学生だった頃の校舎に来ている。

2階へ上がり、左手に進むと外に出ることができる。
庭園、と呼ばれるこの場所は、卒業してからもたまに訪れる私のパワースポットだ。

陽がよく当たるのである。
時間を気にすることなくできるひなたぼっこ。
横になれるベンチ。自販機、トイレも近い。
最高の場所だ。

そこで自分自身と会話をする。
もちろん携帯電話はオフ。

現状の環境。
今後の目標。
仕事と仕事外の仕事のこと。

目を閉じながら、あーでもない、こーでもないと考える。
素敵な時間。

ふと目をあけると、眼鏡をかけてリュックをしょった女学生。
格好がドストライクだ。

さっきまで心地よい真剣度合いで考えていたことなど一瞬で流れ去り、
その女学生に釘付けになる。

イカンイカンと冷静になり、
やはり視覚から入る情報は強いな、脳が持っていかれるな、などとつぶやきながら、
はなれていく背中を見送り、グイと背伸びをするのであった。

 

洗顔ペーパー。

肌男、などというフレーズが
フェイシャルペーパーのCMで使用されているが、少々疑問を感じる。

肌男、は向井理氏を代表とした、
サラサラして爽やか、日常の中で複数の女性が寄り添い、
そもそも、フェイシャルペーパーなど使わなくても全く問題のない男性を指すのだろう。

上記に該当しない男は、ただの男、ということか。
それはそれで、潔い。男。

肌など気にせず、
男として生きることができるのであれば、本望だ。

ところで、私は顔がよくテカる。
ゆえに、洗顔ペーパー(フェイシャルペーパー、とカッコつけて言うことに限界を感じた)をよく使う。

あのペーパー。なぜ、一回の引っぱりで2枚出てしまうのか。
頼んでもいない2枚目。
1枚目のみをめくり取り、2枚目を戻そうとするのだが、もう遅い。
戻らない。

もとに戻せない過ちは、次の何かに生かせるのでは。
そう思い、鞄・靴を拭いてみたのだけれど、拭きムラで逆に汚くなってしまった。

男は肌。
餅は餅屋。

学ぶことの多い1日だった。

 

ストロング・一目惚れ。

ふらりと寄った店。
一目惚れした財布。
武骨でシンプル、潔い。

口のうまい店員さん。

ん〜、普通、財布って年末か年始に買うんだよな〜、
と思いつつも、

“普通” ってなんだ??
という疑問に対抗する形として、買い替えました。

一番の決め手は、
店員さんの右手親指の爪が僕と一緒、
ボコボコしていた点です。

 

新宿のチュッパチャプス。

新宿。大学生の頃。

同じサークルの先輩・同期と自分を含めた3人で、
後輩の女の子がバイトをしているミスタードーナツへ冷やかし半分にいったが、
出勤予定と聞いていたその本人はいなかった。

本人が出てくるまで、店前で男3人待機としていたのだけれど、
ひょっとしたら自分たちが大分気持ち悪い行動をしているのでは…と思い始め、その場を去る。

近くのゲームセンター、お菓子を取るゲームにて3本のチュッパチャプスを獲得。
普段は食べることのないチュッパチャプスを、口の中で転がしながら、
「30分おまかせキャンディー、とかいってるけどそんなに持ちませんよね(笑)!」
という、今考えるとかなり痛い会話をしながら、アルタ近くの交番を通り過ぎようとした時、

「ちょっと君たち!待ちなさい!!」

振り返るとお巡りさんが、怒りながらも、見ぃ〜つけた的な感じで近づいてくる。

「カバンの中、見せなさい!!」

中野で買った私の斜めかけバックと、先輩・同期のバックの中身を思いっきり確認された。
犯罪の臭いがするような、たいしたモノが入っているわけもなく、すぐに解放された。

近くには、黄色いタンクトップに拡散されたヘアーをお持ちのライオン以上に危険(見た目が)なお方がたくさんいましたが、
そちらには全く眼中なく、なぜ、私たちだけにお巡りさんがお声かけくださるのでしょう?

…数日後。同期から、こんな話を聞きました。

「あの後、なんでオレたちが取り調べ受けたか、気になって調べてみたんだけど…シンナーをやっていると歯がボロボロになって、口の中の気持ち悪さを紛らわすためにチュッパチャパスを舐め続けるっていうのが、シンナー愛好者の中で流行ってるらしいよ!だから、3人共シンナーやってると勘違いされたんじゃないかな?」

なるほど。シンナー。
チュッパチャパスを舐めているだけで、シンナー愛好者と間違われるこのご時世。

思えば、人情を噛み締めるガム派になったのは、この時からかもしれない。

 

風習の哀愁。

家の裏にあるコンビニが閉店した。
チェーン系ではない、マイナーコンビニ。

よく菓子パンと野菜ジュースを買っては、
となりの公園ベンチに座って食べてた。
学校帰りに遊ぶ、地元の小学生を眺めながら。

その流れ、雰囲気がよかった。

冬はあんまん。
入れたてのパッサパサだったり、入れすぎのグッチャグチャだったり、
いい蒸し加減の時があまりなかったけど、それもまた味でした。

月並みだけど、地味に大切なモノやコトって、
なくなった後に気づきます。

 

ちょっとしたお金の話。

公園のトイレに入ったら、壁に、

「金は愛の力に勝ることができない。
しかし、金の力を借りなければ、愛を継続することができない。」

という落書きがされてて、なるほどぉ…と、
ぼんやりしながら用を足していたら、少し手にひっかけてしまったよ。

水の力を借りよう。
ハンカチーフもね。

セブンイレブンで、おにぎり100円セールってのがたまにやってて、
いつもは “ツナマヨ(105円)” を買うんだけど、
ここぞとばかりに “荒挽きソーセージ(138円)” を手に取る。

そして、食べた時に気付くんだ。

あぁ、ツナマヨの力は偉大だ。
お金は関係ないんだ。って。

100円セールがくる度に、同じことを繰り返しているんだ。

 

本当に大人になる時。

本当に大人になる時とはいつなんでしょうか。

世間では20歳になってから、ってことになっているけれど、
それは法律が定めた強制力のある一つの指針に過ぎない。

今までお母さんにやってもらっていたことを、やってあげた時。
と可愛らしい回答をくれた女性がいたが、なんとも素敵な答えである。

が、私はこう考える。
本当の大人になるシーン。
それは、銭湯で起こると(男性の場合)。

幼少期は皆、隠しません。
どこか、とは言われれば、あそこだ、と答える。

思春期、隠す時期を迎えます。
一番気にする時期。
もちろん、サイズだけの話ではない。
毛や皮といった、とてもデリケートな時期なのだ。

そして再び、隠さなくなった時。
知らないおじさまに囲まれていようとも。
となりにそんなに仲良くない知人がいようとも。
パーティションのない小型銭湯内であれば、もう完璧だ。

周りがこうだから、とか、基準や世間体を気にせず、さらけ出す。

オレはここにいる。

あ、大人になったな、って。
勝手に思ってます。

あまり他所様を気にしすぎて、
自分のがちっぽけに見えたら、かわいそうです。

かわいそう、かわいい。
デザインもそう。

チラチラと競合・事例を気にしつつも、最後は堂々とお客さんと一緒に見せる。
世の中に向かって。

オレはここにいる。ドーン!

また一皮、むけました。
ありがとうございます。

 

バイク便バイト時代の話。

マンション内の貼り紙。「不審な人がいたら、『どちらへ?』と声をかけましょう。」

こんな声かけをする事例が本当にあるのだろうか、
その貼り紙前を通る度に感じていたのだけれど、
人生で一回、自分に向けて『どちらへ?』が放たれたことがあった。

あれは、バイク便バイト時代の話。

新宿の高い高いビルの中、配送先に迷い、小汚いライダー服でウロウロしていたら、
ボクシゴトデキマス風のお兄さんに『どちらへ?』(それこそが正義と言わんばかりに)と言われた過去の記憶。
結果、そのIDブラサゲテカッコイイデショ風のお兄さんに案内してもらいました。

当時、大学一年生。
バイク便バイトを始めたきっかけは、物凄くバイクに乗るのが好きだったからです。そのまま。

バイクに乗っているだけで、お金がもらえる!!
という単純過ぎる発想に申し込みをしたわけだが、実際に始めてみるとこれがまた “おいしい”。

【 バイク便バイトの “おいしい” 想い出話。 】
3位 真冬のクソ寒い、外での待機時間。あまりの寒さに電話ボックスに入る。(まったく変化なし。)
2位 これでもかと勢いづく台風の中、お台場に集荷に行かされた。(ライダー犬扱い。)
1位 豪雪の日、今日はさすがにないだろ…という期待も虚しく、電車で配送をさせられた。(もはやバイクでない。)

あと、東京郊外に突入した時の住所で、最後の番地が「00-0000」みたいな時は確実に迷子になってました。

なぜ急にそんな過去の記憶を書いたかというと、
先日久しぶりに、仕事関係でバイク便サービスを使わせていただいたからです。
様々な競合がある中、上に書いた想い出をふりかえりつつ、
自分が所属していたバイク便会社を指名させていただきました。

室内、そして、屋根がある素晴らしさを再認識しました。
オートバイに乗っている方であれば、共感いただけるのではないでしょうか。

壁に囲まれた空間の中、風になる術を見つけるべく、
僕は今もこの文章を打ち込み続けている。

 

僕は日本人だ。

二次元に二次元(異質なものではなく、ある程度のまとまりを感じる二次元)を重ねる。

それはもちろん、二次元に変わりはないのだけれど、
すーっとした奥行(とか)をやんわり感じさせることで、
説明的な三次元よりも、想像の余白を残した魅力的な二次元ができるのだろう。

そうなのだろう。
どうだろう。

私はグラフィックデザインを仕事としており、
平面媒体が御客様との共同作品となる事例が多い。
その平面媒体。告知を目的としたツールでいうと、DM・フライヤー・ポストカード…等がある。

デザインを通した後、その制作事例として、その媒体自体を撮影することがあるのだが、
ここで説明的に見せるのではなく、上記に書いた、二次元に二次元を重ねる、
ということができるのではないかと感じた。思いつきだ。

ある式場の告知ツールのデザイン、そして納品が完了し、
まさに今、それを行おうとしている。
べつに、大それたことをやろうとしているわけではない。
ただただ、式場のご好意と +α のやりたい感から生まれた思いつきだ。

先日下見とテスト撮影を行い、少し日が空いてしまうが、後日実施撮影を行う予定である。
式場の雰囲気を感じさせる良いイメージができれば、ここに載せたいと思う。
微妙であれば、載せない(!)。

そんな思いつきが、当たり前に過ぎ行く日常のモコモコッとした期待山となる。
やがて期待山は、連なることで期待山脈となる。

山脈の間を流れる川の水。
純粋無垢な、おいしい水。

その水でお米を炊いて、
気の合う皆でパクつきたい。

ただ、それだけだ。

 

目薬。

目薬さすと喉奥からくる甘い感じ。
あれ何なんでしょうか。

コーヒー飲みたくなっちゃうじゃないか。
ということで、サンプルでいただいたスターバックスのコーヒーを注ぐ。

いつものインスタントコーヒーよりしっかりとした味、
かどうかはよくわからないが、きっとそうなのだろう。

カップの表面をぼんやり眺めながら、
奥底からだんだん見えてくるやる気に引っぱられ、
またスタートするわけです。

 

本日のアトオシとは
「ロゴマークを軸とした展開。」が特長のグラフィックデザイナー永井弘人による、「日常とデザインを拡げる雑文集。」日本タイポグラフィ協会正会員。年鑑ベストワーク賞受賞。著書「デザイナーになる。」(MdN)執筆・出版。
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