アウトプット、シャノアール。最終話
第1話はこちら。
そう、財布がないのだ。
調布のシャノアールを出てから今に至るまで。
落とした記憶はまったくない。
……ということは、つまり、盗られた…。
財布を入れてた鞄は、A3クリアファイルがそのまま入る大きさ。
チャック付きなので、締めていれば盗られることはない。
締めていれば。締めていれば。締めてなかった……。ガバッとあいてた。
電車内、ウトウトしていたこともあり、その時にきっと盗られたのだろう。
ちきしょう。なんて野郎だ。どこのどいつだ。
怒りに震えながら、目の前の交番へ。
盗まれたんです! と伝えても、
はっきりしない状況だからねぇ…落としたのかもしんないし。
とりあえず、落とし物として連絡を入れますよ。
ポリスメンはそう、とてもやさしい声で対応してくれた。
夜空を見上げる。雨のち晴れ。
やなことあった後は、必ず晴れるさ。
とりあえず、寝るに限るさ。
朝だ。
あっ、財布盗まれたんだった…。
寝起きからモンモンとする。
一応、最後にいたお店、明日の営業時間になったら、電話で聞いてみてくださいね。
そいや、警察の人に言われてたな。
盗まれたんだから、迷惑なだけだが、しないにこしたことはない。
シャノアールに電話。
昨晩、そちらにいた者なんですが、財布の落とし物とかありませんでしたか?
財布ですか? う〜ん、フロア全体を掃除した時になんも出てこなかったんで、ないですね。
淡々としたバイト男子の応対。無理もない。
保険証とか再発行か〜めんどいわ〜
はい、もしもし。
あのシャノアールの店長ですが、先ほど電話された方ですか?
はい。
財布、階段に落ちてました!
盗まれてたと、完全に思い込んでいた財布。
会計直後、店を降り途中の階段。無意識に落としていた。
アイデアと共に、財布が舞い戻る。
アウトプット、シャノアール。
調布にお越しの際は、ぜひシャノアールへ。
完
2015年9月1日 23:36 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文
- 「ロゴマークを軸とした展開。」が特長のグラフィックデザイナー永井弘人による、「日常とデザインを拡げる雑文集。」日本タイポグラフィ協会正会員。年鑑ベストワーク賞受賞。著書「デザイナーになる。」(MdN)執筆・出版。
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