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デザインの価値とは「なんかいいな。」

― 永井さんが考えるデザインの価値って何ですか?(ある日のインタビューより)

より豊かな生活につながる、「なんかいいな。」です。
何かを見た時に芽生える「なんかいいな。」という感情。
友達と笑い合ってる瞬間だったり、
好きな人と一緒にいると「この時間、なんかいいな。」って思うじゃないですか。

「なんかいいな。」の価値観は人によって全然違う。
無限にある。だから、面白いんです。
これは直接会ってヒアリングしないと分からない。

同じ言葉でも話すニュアンスの違いがあるので、
それを汲み取るコミュニケーションも含め、大切なデザインなんですよね。
そういう時間を丁寧に取れることも、フリーランスの強みだと思います。

「超いい!」でもなく、「これでいいや…」でもなく、
ふとした瞬間に感じる、「なんかいいな。」という
気持ちや想いを具現化していく、そんなイメージです。

あと、僕の個人的な考えになってしまうんですが、
世間から見たデザイナーのイメージって格好つけてる、
と言うと語弊があるかもしれないけど、
お洒落な洋服を着て、お洒落な街に住んで、お洒落なお店で食事をして、
何かこう……敷居が高いというイメージってあると思うんですよ。

僕はそういうイメージを少しでも変えていきたい。
自分が “お洒落” になれない、ということもあるけど(笑)。

はじめて、デザインを取り入れる方々を増やし、生活をより豊かにしていただく。
デザインの間口を拡げていきたいんですよね。
「へ〜、こんな人もデザインやってんだ。」と、
デザイナーに振り幅があることを知ってほしい。

だから、キリッとした作品事例の裏側で、
くだらない雑文を書いて、発信したりしています。

例えば、アングラ〜サブカル路線を
いったりきたりしているミュージシャンがメディアに出たとき、
トークが凄く面白かったりするじゃないですか。
あの感じがとても好きなんですよね。

「自分の仕事をしっかりとやった上、くだらないことも言える人」が
理想としてあるので、僕はそういう立ち位置のデザイナーでありたい。
そんなことを考えながら、しっかりと形にするため、日々生きています。

なんつて(笑)。

 
 

本日のアトオシとは
「ロゴマークを軸とした展開。」が特長のグラフィックデザイナー永井弘人による、「日常とデザインを拡げる雑文集。」日本タイポグラフィ協会正会員。年鑑ベストワーク賞受賞。著書「デザイナーになる。」(MdN)執筆・出版。
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