豚。
前号の続き。
独立した直後の時期。2011年の年末。
代理店の仕事にケツをたたかれまくっていた。
ドMの私も、愛のないSには涙が出る。
当時、イラストレーターと一緒に活動をしていた。
名は安井。専門学校時代の同期だ。
紆余曲折を経て、一緒に活動していた。時期があった。
その時期のことだ。豚が出たのは。
新潟県、越後妻有の名産品をリデザインするプロジェクト、Roooots。
オンライン上の公開コンペ。リデザインされる選抜商品は10点ほど。
私たちは豚ジャーキーを選んだ。
なぜ豚ジャーキーか。
にわにわとした濃い味が、自分たちのテイストとかぶったのだろうか。
仕事と同時並行のため、気づけば締切間近。
徹夜明けの頭で頭をひねる。
味が濃厚だから、味のある豚描けばよくね?
味のある豚?
高尚ってか、高貴な感じだと味がある…
高貴な豚…
サササと、目の前にある便箋に筆ペンで描かれる。
それがこの豚だ。
パッケージに落とし込む際、一番大変だった作業。
便箋の上から描かれたもんだから、便箋の罫線を豚から消す。
これがいっちばん、大変だった。
豚豚ブーブー豚ブーブー。
2016年2月23日 23:56 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, 更新企画
« Roooots のルーツ。元気。 »
- 「ロゴマークを軸とした展開。」が特長のグラフィックデザイナー永井弘人による、「日常とデザインを拡げる雑文集。」日本タイポグラフィ協会正会員。年鑑ベストワーク賞受賞。著書「デザイナーになる。」(MdN)執筆・出版。
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