雪の想い出。
雪が降る。
東京にいると、雪ってのはそこそこめずらしいもので、
真っ白な空から呼び起こされる記憶がある。
あれはクロスカントリースキー部。
中高一貫、部活としてやっていた。
スキー部、といっても、東京にあるもんだから、
実践的な雪上練習は冬の合宿でしかできない。
合宿。この響きは色々想像される。
一週間ばかし生活を共にする。
オフタイムもあるし、風呂タイムもある。
あんないけないこと、こんないけないこと。
起こりうる。
しかし、その意味が全く別となる状況。
私の学校は男子校なのだ。
“いけないこと” は、断じて、起こってはいけない。
合宿オフタイムに「ポッキーゲーム」をやろうということになった。
人数として7人程だったろうか。もちろん、男のみである。
ポッキーゲームというと、通常、男女がポッキーの端と端から食べ始め、
唇が重なるギリギリ直前、どこまでイケルかというチキンレース。
私たち部活内ではルールが違う。
ポッキーが1人1本ずつ配られる。
そのチョコ部分を口中で舐めて、誰よりも速く、すべて溶かす。
それがルールだ。
途中で折ってしまう、もしくは、溶かすのが一番遅いと罰ゲーム。
皆が舐め回し、チョコがはげたポッキー全員分を食べなければならない。
いわば、プリッツ状態だ。しっとりプリッツ。
雪をみると、そんなポッキーゲームの記憶がふわっと呼び起こされる。
切なくも、苦い想い出。ちなみに、合宿期間はクリスマスがかぶっていた。
中高6年連続、男だけに囲まれたクリスマス。まっ白、なのです。
2014年2月7日 23:40 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, 更新企画
- 「ロゴマークを軸とした展開。」が特長のグラフィックデザイナー永井弘人による、「日常とデザインを拡げる雑文集。」日本タイポグラフィ協会正会員。年鑑ベストワーク賞受賞。著書「デザイナーになる。」(MdN)執筆・出版。
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