動くことで、もらう言葉。
今年度から日本タイポグラフィ協会へ入会し、初の総会と懇親会がありました。
重鎮、巨匠クラスの方々が集まる場。どうしても挨拶をしておきたい方がおりました。
奥村昭夫さん。大阪のグラフィックデザイナーの方。
学生を卒業し、就職したばかりの頃。
素材をレイアウトするだけの仕事に疑問を感じていた日々。
“若者によるエコ・メッセージ” ポスターデザインというコンペに入選し、授賞式に行った際、初めてお会いした。
会場を出るタイミングで奥村さんから声をかけられ、なんと一緒にご飯を食べることに。
運良くポートフォリオを持っていたので、ドキドキしながら見ていただいた。
その時言われた言葉は、今でも覚えている。
永井くん、もっと不器用になった方がいいよ。
デザイン = キレイにレイアウトすること。
当時、そう考えてしまっていた自分にとっては、目からウロコがボロボロとおちまくる言葉だった。
泥くささ、人間くささが感じられない。ボロボロボロ。
そっから、デザインとはなんたるや、と真剣に考え、会社の仕事という環境の枠を飛び越え始めた。
飛んで、飛んで、今に至る。無論、まだまだまだまだ成長し続けなければならない。
タイポグラフィ協会への入会は、いろんな意味が込められているが、
奥村さんへの挨拶は自分の中で重要なことの一つでした。
なんの気なしの一言が、人の後頭部を叩き、動く足まで響かせる。
まずは感謝。次は結果だ。ありがとうございます。
2014年4月20日 03:04 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
- 「ロゴマークを軸とした展開。」が特長のグラフィックデザイナー永井弘人による、「日常とデザインを拡げる雑文集。」日本タイポグラフィ協会正会員。年鑑ベストワーク賞受賞。著書「デザイナーになる。」(MdN)執筆・出版。
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