「あとがき」全文。デザイナーになる。
誠にありがとうございました。
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未成年の頃の私は、小中高と勉強もダメ、スポーツもダメ、女の子にはモテない…
という何につけてもパッとしない学生時代でした。
唯一、イラストを描いたり、ものづくりすることは好きでした。
美術系ではない、普通の大学に入り、いよいよ就職活動が始まるころ。
きっとボクはスーツ着て仕事はできない! と専門学校に入りました。
そこでデザインを学び、初就職。広告代理店系の仕事でした。
よりもっと人に近いデザインがしたい! と転職を決意。
ブランディングを中心としたデザイン会社に入ります。
修行期間を経て、個人の方が求めるデザインを提供すべく、独立をしました。
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デザイナーは選ばれた人だけがなることができる。
デザインは選ばれた人だけが取り入れることができる。
これまでは、そんなコリ固まった、敷居の高いイメージがあったように思います。
その原因は何か?
一流デザイナーとその他デザイナーの差が開き過ぎて、中間で翻訳する人がいなかったんじゃないか。
そして、デザイナーが敢えて難しくデザインを語り過ぎたことが、
逆に「デザイナーではない方」との距離を広げてしまっていたのではないか。
そんなことを漠然と感じていました。
デザインは、「既にデザイナーである人」だけのためにあるわけではありません。
技術面だけでなく、何を大切にして、どういう姿勢でデザインをつくっているか。
そういうメッセージを、デザイナーではなく、「いまはデザイナーではない人」にもわかりやすく、
親しみやすく、楽しく伝える必要がある。そのように考えています。
大事なのが、教科書にあるような真面目さだけではダメだということ。
デザイン表現は行ったり来たり、自由度を孕んでいるのだから、
言葉で遊んだり、例え方だってもっともっと振り幅があるべきです。
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リアルな人に向けた、「実践デザイン」を繰り返す。
人に向けた、「つくる→見せる→知る」を繰り返す。
それでデザイナーになれます。確実に。
人を見つけ、出会うことも含めて、デザインですよ。
あなたのデザインを待っている人が、世の中にきっとたくさんいるはずです。
2015年10月9日 23:37 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
- 「ロゴマークを軸とした展開。」が特長のグラフィックデザイナー永井弘人による、「日常とデザインを拡げる雑文集。」日本タイポグラフィ協会正会員。年鑑ベストワーク賞受賞。著書「デザイナーになる。」(MdN)執筆・出版。
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