クライアントに想いをブツける、の巻。
クライアントさんには様々な方がいます。
いますが、デザインに対する考えを大きく3タイプに分けると、以下の通り。
A. デザインの力を、心底信じている。
B. 何でもいいから、とりあえず形になればいい、という考え。
C. は?デザイン?笑 自分でパパッとつくっちゃうわ!
これら、どれも間違いではありません。正解です。
というのも、例えば、私たちが飲食店に対し、
安い~高い / そこそこ美味ければOK / 最高な場所を望む…
…といったシーンによって、切り替えるのと同じ感覚です。
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ただし。これは、選ぶ側の話し。
選ばれる側、選んでもらう側のデザイナーとしては、
自分自身がどういうスタンスで、デザインをやっているか。
常に意識し、明確にしなければなりません。
もちろん、上記「A」のような方に選ばれ続けるのが理想ですが、
現在の日本には、「A」の意識の方はまだまだ少ないのが現状。
「C」は論外として(すき家行くって言ってる人に、高級フレンチに誘ってもしゃーない)、
問題は「B」。ここです。現状、「B」が圧倒的に多い。
正確に言うと、「A」と「B」の狭間をウロウロしている方が多い。
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今までの一流デザイナーたちは、「A」のみをクライアントとして、実績を築いてきました。
大手広告代理店のクライアント企業さんたちがいい例です。
でもそれって、世の中に存在する企業のほんの一部ですよね?
デザインで世の中をより良くする場合。
実はめちゃくちゃ多い、「A」と「B」の狭間をウロつくクライアントさんたちに対し、
最高のデザインを提供できるか。そして、私たちが、
依頼・発注につながるような、デザインの価値をちゃんと伝えられるか。
これが、今後のキーとなります。(と考えています)
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下記は最近やり取りした、AB狭間のクライアントさんへブツけた内容。
この方とは、はじめてのやり取りではないのですが、
進行途中、工数が増えたプロジェクト内容に対し、見積を送りました。
その見積に対してのメッセージが一番上。クライアントさんの声です。(一部、改変しています)
これに対して、私が想いをブツけます。
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>かなり高いですね。
>私たちが何度か発注している、大人数のデザイン会社より高いです。
改めて、この点ですが、—-様が、
「ロゴや新規作字に対して、とりあえず、形にしてくれればいい」
という認識、また、予算軸が優先であれば、別の方へご発注されるのがより良いと存じます。
(それが決して悪いことではありません)
私は、ロゴ、そして、一文字一文字がもたらす印象によって、
それを見たお客様が、
「なんだか、親しみを感じるな」
「このサービス、使ってみようかな!」
という意識、行動やシーンにつながることを真剣に考え、形にしています。
それには、技術・知識・経験が必要です。
着手が開始してから、文字と向き合う時間も必要です。
私にオーダーいただける方はそういったことを理解した上、お声かけいただいております。
単純な価格帯比較が、デザイン依頼の判断基準であれば、私は適さないです。断言します。
この点も含め、ご判断いただけると幸いです。
(こういった認識伝達は、デザイン業界全体の責任でもあり、それが至っていないのが現状です…申し訳ございません)
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…以上です。
ポイントは、こちらから「じゃあ頼まなくて結構です!」とか言わないとこ。
それじゃあ、一向に「A」と「B」の差が埋まるわけがない。
つまり、デザインで世の中がより良くなることにつながらん。
まずは、理由と考えを真摯に伝える。これが重要。
というか、これも含めてデザインです。
プロジェクト完了後は、
自分のデザイン実績・結果をちゃんと、世の中にアピールする。
すると、序所にABがなじんでいきます。
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私も現在進行形で、楽しみながら、たたかっています。
みなさんも各々のスタンスを明確にしつつ、やっていきましょう。
ちなみに、上のメッセージを送った後、
先方様の意識も若干変わり、いい感じに進行しています。
長文失礼! それでは、よろしくお願いします。
2016年2月26日 20:08 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
- 「ロゴマークを軸とした展開。」が特長のグラフィックデザイナー永井弘人による、「日常とデザインを拡げる雑文集。」日本タイポグラフィ協会正会員。年鑑ベストワーク賞受賞。著書「デザイナーになる。」(MdN)執筆・出版。
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