丁寧に伝える。デザイン費について。二話目。
B. デザインを取り入れるからには、しっかりとこだわり、納得したい タイプ
の方に、「なぜデザインを取り入れるということが、これぐらいの値段になるか?」…
をしっかりと伝えていく必要があります。という話を一話目にしました。
では具体的に。「なぜ、これぐらい」の話を。
初回の打ち合わせ。
ここで共有する、クライアントの「希望の方向性」。
方向性を聞いたタイミングで、デザイナーの脳は少なからずウネウネと動いています。
ふんふん、こういう方向性を望んでいるのだな。
こうあるべきだろうな、ふんふん。
その後、
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
01. リサーチ
02. コンセプト
03. アイデア
04. ラフ
05. 実施制作
06. 検証
07. 調整
(05〜07を繰り返す)
08. 「02〜07」を、ちゃんと説明するためにまとめる
09. プレゼンテーション
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
まで、一気に進行する場合もあれば、
途中段階でクライントに確認を取る場合もある。
さらに、その後、
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
10. 調整希望等の擦り合わせ
11. 調整希望等の反映・検証
(場合によっては、10〜11を繰り返す)
12. デザイン・仕様の決定
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
にて、ゴールの形が見える。
見えるんだけど、手に取る形(例:紙に印刷等)にする必要がある。
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
13. デザイン・仕様を印刷会社の方に伝える
14. 校正印刷の確認
(場合によっては、13〜14を繰り返す)
15. 本印刷進行の管理
16. 納品
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
…と、カテゴリ名はだいぶざっくりとしてますが、
行程として細分化するとこんな感じになるわけです。
具体的に動く、時間がかかる、工数だけでも結構いきますが、
それらは決してデザイン外の “作業” ではなく、それらも含めて “デザイン” なのであります。
だから、ちゃんとしたモノ・シーンをつくるという意味での “デザイン” は、これぐらいの値段になるのです。
という説明を、デザイナー自身が、一人一人のクライアントに対し、しっかりと行う必要がある、と感じています。
そして、その説明も含めて “デザイン” かと。
ちなみに、決まったフォーマット型に情報を当て込んだり、
なんとなくの雰囲気で進める「05. 実施制作」のみで「○万円!他よりお得!」という判断になってくるのが、
一話目に登場した、
A. とにかく、どんな形でもデザインが存在していればいい タイプ
っちゅーわけでございます。その場合、自分の認識としては、 “デザイン” ではなく “作業” になりますね。
アプリケーションをいじれる人物であれば誰でもできる “作業” 。だからそっちは安価になる。
またまた長くなりそうなので、次回に続きます!(こんなの二回目!)
2014年3月27日 12:19 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
丁寧に伝える。デザイン費について。一話目。
丁寧に伝える。なんの話かってーと、デザイン費の話だ。
業界にいた方からすれば、だいたいの相場を知っているから、
こちらが考えるデザイン費をパンと出しても、うん、そんなもんだよね!と。
しかし、今まで、デザインを取り入れていない方からすると、驚かれる場合も多い。
そもそも、相場がわからないので、とまどいながらの驚きに近い印象を受ける。
相場はあって、ないようなもん…だけど、大枠のラインはあるのではなかろうか。
このラインは一本線ではなく、複数の線があって、
一番手前に引かれるのが、「デザインにどこまで求めるか?」という線である。
クラインアントとなりうる方には、大きく分けて2通り。
A. とにかく、どんな形でもデザインが存在していればいい タイプ
B. デザインを取り入れるからには、しっかりとこだわり、納得したい タイプ
この「A」のタイプを例えるなら、
腹減ったから、昼飯食いたいな…近場で美味いもんあったけな…あっ、あそこにしとくか!
値段の割にはボリュームもあるし!
このBのタイプを例えるなら、
妻と結婚してからもうすぐ1周年。結婚記念日はどこで食事をしようか…。
美味しさは当たり前だけど、より良い想い出に残るのは個室?ローケーション?
まずはちゃんと調べよう!
…という、物を食べるという行為以外の「付加価値」を重視するか、しないかの違いである。
「A」の方は、とりあえずあればいいし、そもそも安価を基準に考えているので、
まっとうなデザイン費の話をしたところで、「そこまで考えてないない!」となるのがオチでして、
今後ちゃんと考えなきゃならないのは、「B」の方に向けて、丁寧に伝える。ということなのです。
長くなりそうなので、次回に続きます!(こんなのはじめて!)
2014年3月26日 01:06 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
丁寧ですか。
入稿データへの記載情報は、「いかにわかりやすく」「いかに丁寧か」…
…が印刷所の方より気に入られるキーとなってきます。
ちゃんとしたデータであれば、ちゃんとした仕事をしよう!という気になると。
相手も人間です。メール文と同じく、送られてきたデータ内容(記載内容)ひとつで、
相手が「ちゃんと思いやりのある人間か」判断できますし、判断されます。
普段から「ちゃんと思いやりのある人間」だと認識されている人は、
いい噂を呼び込むっちゅーことや。
こんなに丁寧なデータ送ってきやがって…いい仕事してやるよ!コノヤロウ!
引き続き、よろしくお願いします。
2014年3月15日 01:20 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
リアルな人とのやり取りの中で大切なこと。
◎ リアルな人とのやり取りの中で大切なこと
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
01. まず気づく:「心の奥底にある要望の汲み取り」「このスケジュール感だと、この連絡を今しておかないとまずいよな」「レスポンスがないけど、言い方・伝え方がわるかったかな」等
02. その気づきに対して、具体的に対応・行動する:「直接電話をする」「参考画像を貼り付けて、再度連絡する」「より素敵でプラスαを感じる、提案によるリカバー」等
03. 反応をチェックする:「上記に対しての相手のリアクションをちゃんと確認する」「ちゃんと礼を伝える」等
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
この「01. まず気づく」がめちゃくちゃ大事です。
自分一人の仕事の中だと、誰もなにも声かけなんかしてくれません。
そして、まず気づけないと、「02.」「03.」も進めない。
色んなタイプの相手とのやり取りの中で、様々な事象に気づくためには、常に五感のアンテナをビンビンにはって日々を過ごす必要があります。
だから、多様な本を読むし、プロの漫才やコントだって見るし、ラジオで紹介される新人の音楽を聴くし、
好みではない期間限定ジュースだって飲むし、普段行かないような小洒落たお店で飯を食って空間とサービスを体感するんです。
色んなタイプの相手の考えを “わかろうとしなければ、まず気づくこともできません” よね。
その常日頃の結果、そのプロセスも踏まえ、はじめて “良いデザイン” が “提供” できるようになる。
んだと思います。あくまでも私の考えです。
────────────────────────────────────
…ってことを先日語らせていただきました。
お前ができてんかい!
2014年2月27日 00:33 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
置く。
プロジェクトを複数同時進行する。
初回打合せ日からスタートし、一発目のプレゼンが一つの山場となる。
昨年までは、一つのプロジェクトに対し、リサーチ・アイデア・ラフ・制作まで、
一気にプレゼンで見せる形までつくりあげてきた。
そして、その後の調整に一番時間をかける…という方法を主にとっていたのだが、
やり方が停滞することは、デザイン自体が停滞することにもつながると感じ、
今年から、リサーチ / アイデア / ラフ / 制作 までの工程をすべて、
一つ一つ、区切りをつけ、一度置いておくことにした。
この状態を、寝かす、という風に例える方もいると思う。
プロジェクト自体は起きているので、置く、とでも言おうか。
Aの立ち上がりをここまでやって、Bの続きをやって、Cをちょいとやって、
Aの続きをやって、Dの立ち上がりをやって、BをFIXして…。
置く、ことで、不思議と頭の中がクリアーな状態で、もう一度入っていける。
心地良い距離感。少し、距離を置いておく方が、良い関係が長く続く。
中距離恋愛。物理的に近づいていても、やさしい風がふきこむ間柄。
2014年1月23日 22:05 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
60:40。
専門学校講師として、一応、デザインの部分を教える立場でもある。
一応、としたのは、自分自身が仕事を通し、学ばなければいけないことが、まだまだ多い身だからだ。
学ぶことは、一生、続くだろう。
そうなってくると、教える、ではなく、伝える、といった方が正しいのかもしれない。
今、感じていること、知っていることを伝える。
時期によっては、1+1=2 にならない状態も来る可能性もある。
人と人とやり取りなので、どうしても有機的になる。肯定的に。
学生と絡み、逆に学んだこと。
大事なのは、60:40。気持ちの比率。
40:60で教えてもらう、という姿勢でもなく、
50:50で対等なモチベーションでもなく、
60:40、前のめりに習得しようという、気持ちのもれ。
これがあると、伝える側も60:40、
前のめりに、こんなことも伝えた方がいいかな?!
盛り上がってくるのだ。
これからデザインを学ぶ人、今まさに学生の人は、一つの意見として参考にしてほしい。
学校や講師に、いい意味で期待しないこと。受け身にならないこと。
場を盛り上げるのは、こちらからモリモリかます、あなたの気持ちと行動次第だ。
(明日になったら言ってること、かわってるかも。)
2014年1月10日 23:58 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
年賀状。
グラフィックデザイナーとして、
人と交わう紙媒体のツールは本腰を入れなきゃならない。
そして、年賀状は一年の中でも、
グッと力を入れたい、入れなければならないツールなのです。
基本、デザインを行う上で、
なぜそのデザインが必要か、クライアントさまの目的を汲み取ることが必要となってくるのですが、
自分自身が制作する年賀状の場合、自分自身で目的を定める必要があるのです。
そんじゃあ、その目的は? 僕は「新年の抱負」にしています。
「新年の抱負」(後日、改めて発信します)を形にした後、入稿、自宅に納品。
納品した年賀状に、自宅プリンターで送り先の住所を印刷。
料金別納郵便なので、そのまま郵便局に持っていけば、送れるのですが、ちょっとまった!!
やはり、手書きの味がほしいじゃあないですか。
こればっかりは、印刷技術がどんなに進んだとしても、
魂の込め具合の嬉しさは追いつかないじゃないのか。
特に女性。女の子の手書きは、もうなんともいえない念が込められております。
僕はクソみたいに字が汚いことで有名なのですが、
年賀状を送る時は、一通一通、手書きメッセージを書くようにしています。
ここで、気づいたことが。
仲の良い・気をつかわない相手ほど、伝えたいメッセージが湧く湧く。
まだ知り合ったばかり・緊張する相手ほど、形式ばったメッセージになる。
クソ当たり前のことのようで、そもそも、手書きでメッセージを書いたからこその当たり前の気づき。
この一年を通し、形式ばったメッセージをいい意味でくずせるような、そんな関係性を築く。
そんな一年になるよう、力を重ねていきます。
本年も何卒、よろしくお願いいたします。
永井弘人
2014年1月1日 23:47 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
ロゴ。
この桜丘カフェ。
とても雰囲気がいいのだが、こういうとこで残念なのが、
「ボク、こんないい場所で働いてるんですよ〜」的な店員さん。
バレないぐらいの上から目線で、注文を取ったり、水を入れてきたり。
少しばかりメジャーになったお店はキワドイですね。態度が気になる。
どんな状況になっても、謙虚にいきましょう。謙虚に。
それはそうと、常日頃、ロゴをリサーチし、レビューしている遠島さん。
以前、自分がインタビューを受けたので、今回は作り手ではない視点で、
ロゴに対する考えをぜひとも聞いてみたい、とお呼びしたわけです。
────────────────────────────────────
Q. 今後どのようなロゴが流行ると予想していますか??
競合サービスが多い業態内、スタートアップの段階で、
「どういった違いが見せられるか」「今までのイメージと真逆にいけるか」
といった、意識して差別化を図ったロゴマーク(例)が流行ると思います。
────────────────────────────────────
Q. 遠島さんにとって、ロゴとは??
ロゴを見て、ウキウキしたり、ワクワクしたり。
見方を変えることで、印象が変わる。
時代と共に、見え方が変わる。
ロゴとは、「一生、楽しめるもの」。
────────────────────────────────────
この「一生、楽しめるもの」には、エクスタシーを感じた。
気持ちよくて、思わずクラクラしてしまったよ。
作り手からは、あまり出てこないメッセージなのではなかろうか。
渋谷のど真ん中でエクスタシー。
言葉で昇天できる、そんな自分で、一生、楽しもう。
ムズムズする股間をおさえながら、帰りの山手線に乗り込んだ。
2013年12月30日 22:57 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
「本日のアトオシ」 補足説明
ロゴマーク紹介サイト「ロゴストック」さんに、永井弘人のインタビューが掲載されました。
────────────────────────────────────
◎ ロゴストックについて
ロゴストックでは、強力な武器と成り得る、意思の詰まったカッコいい「ロゴ」を取り上げていくことで、
ロゴデザインの重要性を訴えていくとともに、ロゴデザイナーにはインスピレーションを、
ロゴをつくりたい・つくってほしい人にはそのヒントを、それぞれ与えていくことを究極の目的としています。
◎ インタビュー掲載ページ「人をアトオシするブランドをデザイン 永井弘人」
ロゴマークを制作する際の、デザインコンセプトの見出し方、
コンセプトを具現化していく流れを中心にお話しさせていただきました。
これから、初めて「デザインを取り入れよう」「デザインを身につけよう」とする方にご覧いただき、
より具体的に、その一歩を踏み出す参考となれば幸いです。
────────────────────────────────────
もしかすると、ロゴストックさんを見てから、こちらのページに初めて流れついた方もいるかもしれません。
今ご覧いただいている、「本日のアトオシ」の詳細説明・コンセプトは コチラ を読んでいただけると嬉しいです。
デザイナー、というと、良くオシャレな雰囲気をビンビンに発して、スッと小粋なことをささやく。
イメージがあると(ないか)思われますが、そういった、デザイナー特有の雰囲気の真逆、素のままをいこう。
そして、デザインってなのが、もっと身近に感じてもらえると嬉しいな。
というイメージで、日常って素敵!を再認識してもらえるよう、つらつらと好き勝手なことを書いています。
だから、Facebook での自分の見せ方は、本ページへの前フリだったりします。
知り合いが見ていると気ぃ使っちゃうから、誰が見てるか、誰に見てもらえるかとか関係なく書いてます。
Analytics も、なるべく見ません。なるべく。
「本日のアトオシ」興味出てきた!って特殊な方がいましたら、
毎日更新をたま〜に心がけていますが、平気で2〜3日すっぽかしたりするので、
暇で暇でやることがないタイミングとかに、頭を空っぽにして眺めてみてください。
そして、無駄な時間を過ごした、と感じてください。その時に。
「この感じ、きらいじゃない。(=なんかいいかも)」って思える、ブログのようなページを目指して。
永井弘人
2013年11月23日 19:22 | カテゴリー:告知, 日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
インディーズ。
フリーランスデザイナーと、デザイン会社に在籍するデザイナーとの違いってなんだろう。
例えていうなら、インディーズとメジャーなのだろうか。
◎ Wikipedia「欧米と日本のインディーの違い」より
これらのアーティストはアンダーグラウンドにおいてインディー・レーベルに所属し、その創作活動を続ける場合が多い。これらの背景から、インディーは「メジャーへの踏み台」としてではなく、「ニッチな音楽を志向するアーティストが存在し得る場」として、一つの唯一的な地位を有している。〜 中略 〜 メジャーのアーティストがレコード会社の方針に不満を抱いたり、自由な活動をしたい事から個人事務所等でレーベルを立ち上げてインディーズで活動する者がいる。
音楽業界はまったく詳しくないので、適当にぼんやりとした感覚で話す。
この違い、日頃特に意識して考えることはないが、独立する時にはハッキリとした意志があった。
会社時代に感じた「もっとこうするべき」とか「もっとこうなったらいいのに」とか、
自分の場合は、人と直接やり取りする意味、
自社経営のためではない、グラフィックデザインの優しい力を世の中に証明する、ということ。
朝はゆっくり寝ていたい。なんてのが裏の理由でもありますが、
実際、仕事が重なれば、守ってくれる人がたくさんいる会社時代より徹夜が続くこともあり、それはもう、
平日・土・日・祝・24時間・寝ている時間・うんこしている時間 = 自分の時間 = 全てがデザイン、
という状況になり、でもそれはそれで全く嫌じゃなく、むしろ、疲れ心地良い。
風呂かサウナか。
ぬるま湯にずっと浸かっているより、メリハリのある熱めにザブっと入って、
出た後にマッチを飲む。生きてて良かった。
もちろん、どちらが正しい、ということではなくて、
僕はただ、意志の強い、インディーズであり、サブカルである、そういった立ち位置、
デザイン会社に在籍し続けるデザイナーよりも、しっかりと地に足つけつつ、ピョーンと飛んでいく。
そんなフリーランスで居続けることに意味を、生き甲斐を感じている。
これからもきっとそうだろう。ちがってたら、ごめんなさい。
あれだ、最大の理由は好きな時にチョコパイ食えるってことだ。
2013年11月12日 15:35 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
伝導、そして、味覚。
伝える、ということ。
自分の考えを伝導させるには、ブルブルと震わせるために、
たたくなり、ゆらすなり、自ら行動を起こす必要である。
行動は口先だけの希望ではむずかしいだろう。
なぜ、それが、いつまでに必要か。
具体的に理由を伝える必要がある。
なかなか思い通りにならないものだが、
予想を反した相手のリアクションがでれば、
それさえも “オイシイ” と感じ、楽しみにしちゃう。
クセのある味は大人にしかわからない。
私は味覚はおこちゃまだが、精神上の味覚は大人でいたい。
通にしかわからない。大人の味覚。
伝導…ペロペロ、オイシイー!
2013年10月28日 23:44 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
ガガガSP。言葉。
ガガガSP、がとても好きなんです。
正確に言うと、歌詞、がとても好きなんです。
めちゃくちゃさえない日々を送っていた大学時代。
日本語パンクブームがあった。
青春を生きる若者に響く歌。それを激しい曲に合わせていかに伝えるか。
聴いていると勢いづくような、良いバンドはたくさんあった。と思う。
でも、ガガガSP(呼び捨てでごめんなさい)だけは、自分の中で一線を引いていた。
人間臭さ、リアル過ぎるリアル。当たり前の日常の掘り下げ。
みたいなものがヒシヒシ伝わって、活力になって、今でもほぼ毎日聴いている。
人に何かを伝える時は言葉が必要だ。
言葉の中に歌詞が含まれるのだろうけど、曲名で「言葉」という歌がある。
これだ。
一般的な青春を謳歌した人にはわからないだろう。
これは青春を謳歌しなかった人が、心の底から感じる、青春だ。
この感情は一生つきまとう。
リア充、なんて言葉があるが、ちがう。
リア充、じゃない奴こそ、リア充なのだ。
僕はそれを証明したい。最高の自己満足だ。
言葉で上手く伝えられないなら、色んなものの積み重ねで、ジワジワと、ジワジワと染み込ます。
いやらしいやり方で、浸透させていくのですよ。
ガガガSPを聴きながらね。
2013年10月19日 23:26 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
弁当に包む。
母校である専門学校の文化祭があったので、印刷会社さんへの挨拶前に立ち寄る。
プレゼンテーション大会が行われていた。
「colors」という共通テーマにて、作品をつくり、クラスから代表1名が抜擢される。
抜擢された者が、学科(グラフィック科とかインテリア科とか)を超えたプレゼン大会を行う。というもの。
アート科学生の作品。
「お母さんの「心」を、お母さんがつくってくれるお弁当に置き換え、カラフルに表現しました。」
やわらかなフェルトでつくられた、おにぎりやおかずは実に可愛らしい。印象は悪くない。
しかし。何かが足りない。
「この作品に対し、何かご意見のある先生はいらっしゃいますか?」
進行役スタッフが言う。
審査員でもあるプロダクト科の先生(ご年配の方です)がスッと手を挙げる。
「僕が中学生のぐらいの時、周りも含め、裕福な家庭って全くなくてね。
育ち盛りなんだけど、ご飯を目一杯食べることなんてできなかったんだ。
今でも印象に残っている弁当がある。仲のよかったやつの弁当だ。
フタをあけると、こうピンポン玉より少し小さい芋。芋がね、七個だよ。
それ以外は何も入っていない。でもね。弁当箱の中にちゃんと入っているんだ。
そこに、なんだろ、お母さんの『心』ってのが表現されていると思うんだ。
芋七個の弁当に。そういう表現も『心』だよね。」
…まさかこの場でこんないい話しを聞けるとは思ってもいなかった。
一人、静かな感動を覚えていた。
私の印象に残る弁当といえば、
セブンイレブンバイト時代、良く食べていた、廃棄の「炭火焼牛カルビ弁当」。
その中には、肉の旨味を引き立たせる「タレ(心)」が包まれている。
コンビニ弁当なんだけど、全く飽きないんだ。あれ。悔しいけど。
2013年10月4日 23:49 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
本当に大人になる時。
本当に大人になる時とはいつなんでしょうか。
世間では20歳になってから、ってことになっているけれど、
それは法律が定めた強制力のある一つの指針に過ぎない。
今までお母さんにやってもらっていたことを、やってあげた時。
と可愛らしい回答をくれた女性がいたが、なんとも素敵な答えである。
が、私はこう考える。
本当の大人になるシーン。
それは、銭湯で起こると(男性の場合)。
幼少期は皆、隠しません。
どこか、とは言われれば、あそこだ、と答える。
思春期、隠す時期を迎えます。
一番気にする時期。
もちろん、サイズだけの話ではない。
毛や皮といった、とてもデリケートな時期なのだ。
そして再び、隠さなくなった時。
知らないおじさまに囲まれていようとも。
となりにそんなに仲良くない知人がいようとも。
パーティションのない小型銭湯内であれば、もう完璧だ。
周りがこうだから、とか、基準や世間体を気にせず、さらけ出す。
オレはここにいる。
あ、大人になったな、って。
勝手に思ってます。
あまり他所様を気にしすぎて、
自分のがちっぽけに見えたら、かわいそうです。
かわいそう、かわいい。
デザインもそう。
チラチラと競合・事例を気にしつつも、最後は堂々とお客さんと一緒に見せる。
世の中に向かって。
オレはここにいる。ドーン!
また一皮、むけました。
ありがとうございます。
2013年9月10日 14:28 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
僕は日本人だ。
二次元に二次元(異質なものではなく、ある程度のまとまりを感じる二次元)を重ねる。
それはもちろん、二次元に変わりはないのだけれど、
すーっとした奥行(とか)をやんわり感じさせることで、
説明的な三次元よりも、想像の余白を残した魅力的な二次元ができるのだろう。
そうなのだろう。
どうだろう。
私はグラフィックデザインを仕事としており、
平面媒体が御客様との共同作品となる事例が多い。
その平面媒体。告知を目的としたツールでいうと、DM・フライヤー・ポストカード…等がある。
デザインを通した後、その制作事例として、その媒体自体を撮影することがあるのだが、
ここで説明的に見せるのではなく、上記に書いた、二次元に二次元を重ねる、
ということができるのではないかと感じた。思いつきだ。
ある式場の告知ツールのデザイン、そして納品が完了し、
まさに今、それを行おうとしている。
べつに、大それたことをやろうとしているわけではない。
ただただ、式場のご好意と +α のやりたい感から生まれた思いつきだ。
先日下見とテスト撮影を行い、少し日が空いてしまうが、後日実施撮影を行う予定である。
式場の雰囲気を感じさせる良いイメージができれば、ここに載せたいと思う。
微妙であれば、載せない(!)。
そんな思いつきが、当たり前に過ぎ行く日常のモコモコッとした期待山となる。
やがて期待山は、連なることで期待山脈となる。
山脈の間を流れる川の水。
純粋無垢な、おいしい水。
その水でお米を炊いて、
気の合う皆でパクつきたい。
ただ、それだけだ。
2013年9月4日 16:37 | カテゴリー:日常とデザインの間口を拡げる雑文, デザイン寄りの話の抜粋, 更新企画
- 「ロゴマークを軸とした展開。」が特長のグラフィックデザイナー永井弘人による、「日常とデザインを拡げる雑文集。」日本タイポグラフィ協会正会員。年鑑ベストワーク賞受賞。著書「デザイナーになる。」(MdN)執筆・出版。
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